2025/12/24
「神経の治療をしたのに、また腫れてしまった」
「何度も同じ歯を治療している」
こうしたお悩みの背景には、治療中に細菌が入り込んでしまうことが関係している場合があります。
当院では、治療の成功率を少しでも高め、歯を長く守るために
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この記事では、
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ラバーダムとは何か
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なぜ根管治療(神経の治療)で重要なのか
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海外ではどのように考えられているのか
を、できるだけわかりやすくお伝えします。
ラバーダムとは、薄いゴム製のシートを使って、治療する歯だけをお口の中から隔離する器具です。
治療する歯の周りにシートをかけることで、
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唾液
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口の中の細菌
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舌や頬
が治療部位に入らないようにします。
主に使われるのは
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根管治療(神経の治療)
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精密な詰め物・被せ物の治療
など、高い清潔さと正確さが求められる治療です。
欧米では、ラバーダムは
「根管治療を行う上での標準的な処置」
として位置づけられています。
歯内療法(根管治療の専門分野)のガイドラインでも、
ラバーダムの使用が強く推奨されています。
根管治療とは、
歯の中にある**神経や血管(歯髄)**を取り除き、内部を清掃・消毒する治療です。
歯の根の中は非常に細く、複雑な形をしているため、
とても繊細で難易度の高い治療です。
治療がうまくいかない場合、
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再び細菌が増える
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歯の根の先に膿がたまる
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抜歯が必要になる
といった結果につながることがあります。
根管治療の成功率は、
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治療中の清潔さ
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細菌をどれだけ入れないか
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正確な処置ができる環境
によって大きく左右されます。
お口の中には、数百種類以上の細菌が存在しています。
唾液にも多くの細菌が含まれています。
ラバーダムを使わずに治療を行うと、
治療中に細菌が根の中へ入り込んでしまう可能性があります。
根管治療では、
「一度きれいにした根の中に、再び細菌を入れないこと」
が非常に重要です。
ラバーダムは、治療中の再感染を防ぐ最大の防御策です。
ラバーダムを使用すると、
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視野が安定する
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治療器具が使いやすくなる
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集中して処置ができる
結果として、治療の精度そのものが向上します。
海外の研究では、
ラバーダムを使用した根管治療の方が成功率が高い
ことが報告されています。
特に再治療のリスクを下げる点で、
ラバーダムの有用性が示されています。
健康な方でも、口の中は細菌が多い環境です。
炎症や虫歯がある場合、さらに細菌量は増えます。
治療中に細菌が入り込むと、
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治療期間が長くなる
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痛みや腫れが出やすくなる
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治療後のトラブルが増える
といった問題が起こります。
ラバーダムは、
患者さんだけでなく、医療者を守る感染対策としても重要です。
治療中に使う器具や薬剤を、
誤って飲み込んでしまう事故を防ぐ役割もあります。
安全に治療を行うための、
見えない安全装置とも言えます。
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息がしにくそう
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口が開けにくそう
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圧迫感がありそう
と感じる方もいらっしゃいます。
実際には、
鼻呼吸は問題なくでき、痛みもほとんどありません。
当院では、
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サイズ調整
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声かけ
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体調への配慮
を行い、できるだけ負担の少ない使用を心がけています。
欧米では、ラバーダムは
「使うかどうか迷うもの」ではなく
「使うのが当然のもの」とされています。
時間や手間の問題、制度的な背景もあり、
日本では普及が遅れていました。
日本国内ではまだラバーダム未使用の歯科医院が多いのが現状です。
一方で、日本の専門家団体(日本臨床歯科学会・SJCD)の会員を対象としたアンケート調査では、
約73%の歯科医師がラバーダムを使用していると回答しています。
これはあくまで高い研修レベルの歯科医師グループでの数字ですが、一般の歯科診療所では使用率がさらに低いと考えられます。
当院では、
治療に必要かどうかを基準に判断しています。
保険診療であっても、
治療の質を妥協しないことを大切にしています。
一時的な負担よりも、
歯を長く使えることを重視しています。
再治療のリスクを減らす
歯を残せる可能性を高める
結果的に治療回数・負担を減らす
Q. ラバーダムをすると息苦しくありませんか?
A. ラバーダムは口の周囲を覆いますが、鼻呼吸は妨げませんので酸素不足になることはありません。装着している間も通常通り鼻から呼吸できます。治療中はゆったりとした姿勢でいることで不安感も減り、多くの患者さんはすぐに慣れますのでご安心ください。
Q. 装着すると痛みや違和感はありますか?
A. ゴムシート自体に痛みはなく、使い捨てのものなのでゴムの匂いが気になる程度です。クランプで歯茎に圧力をかけると「挟まれるような感じ」や「ピリッとした刺激」を感じることがありますが、通常はほんの一瞬です。当院では必要に応じて麻酔(局所麻酔薬の塗布や表面麻酔)を併用し、痛みを抑えて装着しますので痛みは最小限におさえられます。治療中はむしろ口が水で満たされず快適だと感じる方が多いです。
Q. クランプで他の歯が痛くなったりしませんか?
A. クランプは治療歯に固定しますので、隣接歯や粘膜を傷つけるようには設計されています。ただし稀に歯冠の形状や金属冠がある場合には緩みにくいこともありますが、技工所製のゴムや歯科用のワックスなどで隙間を埋めたり、複数のクラウンをまたいで固定したりする工夫で対応しています。何か気になるときは歯科医師にお伝えください。
ラバーダムは目立つ器具ではありませんが、
根管治療の成功率を支える重要な存在です。
当院では、
「その歯をできるだけ長く守る」
という視点から、ラバーダムを大切にしています。
📞 ご予約・お問い合わせはこちら →0774-44-7234
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参考文献・エビデンス
根管治療におけるラバーダム使用の効果や普及率に関する研究
などを基に解説しました。
