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矯正治療は早い方がいい?小児矯正の始めどきを見極めるポイント|京都府宇治市伊勢田町の歯医者・歯科|矢野歯科医院 宇治歯科診療所

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矯正治療は早い方がいい?小児矯正の始めどきを見極めるポイント
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子どもの歯並びや噛み合わせについて、「治療を始めるなら早い方がいいのかな?」と気になる親御さんは少なくありません。

大人になってから行う矯正とは異なり、小児矯正には「成長期だからこそできること」があります。

本記事では、小児矯正の定義や開始時期、メリット・リスクについて、エビデンスに基づきながら整理してみましょう。


小児矯正とは

小児矯正は、乳歯から永久歯への交換期に行う矯正治療のことを指します。

目的は「すべての永久歯がそろったときに、できるだけ自然な噛み合わせになるよう土台を整えること」です。

成人矯正が「並んだ歯を動かす治療」であるのに対し、

小児矯正では顎の骨の成長を利用し、歯が生える環境そのものを改善するという大きな違いがあります。

欧米では「成長期に問題を食い止める(interceptive)」というニュアンスで捉えられています。


 

治療を始める時期

「早ければ早いほどいい」というわけではなく、症例によって適した時期が異なります

  • 受け口(反対咬合):成長により悪化するため、3〜5歳ごろからの対応が勧められるケースがあります。

  • 出っ歯や叢生(歯のガタガタ):6〜10歳頃に行うと効果的です。永久歯の生えかわりに合わせ、顎の成長を利用できます。

  • 顎の成長バランスの異常:小学生期の治療が有効。対応が遅れると、思春期以降に外科的処置が必要になる可能性もあります。

米国矯正歯科専門家協会(AAO)は「子どもは7歳頃に一度矯正専門医の検診を受けるべき」と推奨しており、

米国小児歯科学会(AAPD)も成長段階に応じた早期の診断・管理の重要性を示しています。

日本矯正歯科学会では、小学校低学年のうちに一度は矯正相談を受けることを推奨しています。


 

小児矯正のメリット

  1. 顎の成長をコントロールできる
     成長期の柔軟な骨を利用するため、歯を抜かずにスペースを確保できる可能性が高まります。

  2. 将来の治療負担を軽減
     歯並びや噛み合わせをある程度整えておくことで、思春期以降の矯正が短期間・軽度で済むケースがあります。

  3. 口腔機能の改善
     咀嚼効率や発音、口呼吸の是正など、歯並び以外の健康面にも良い影響があります。

  4. 心理的メリット
     見た目の改善により、子どもの自信や学校生活への適応に良い影響を与えることがあります。


 

小児矯正のリスク・注意点

  1. 長期治療になりやすい
     乳歯期から始めると、数年単位での通院が必要になります。

  2. 再治療の可能性
     顎や歯の成長は個人差が大きいため、中高生以降に本格矯正(二期治療)が必要になることもあります。

  3. 協力度が不可欠
     取り外し式の装置は、子ども本人と保護者の協力がないと効果が十分に出ません。

  4. 費用面の負担
     医院によって異なりますが、一期治療・二期治療を合わせると成人矯正より高額になる場合があります。


 

科学的根拠と国際的な視点

研究によれば、早期の矯正治療は特に反対咬合(受け口)の改善に有効であり、将来的な手術リスクを下げる可能性が示されています(Baccetti et al., 1998)。また、アメリカ矯正歯科学会(AAO)は、7歳までに一度は矯正専門医によるチェックを受けることを推奨しています。

一方で、すべての症例が早期治療を必要とするわけではなく、個別の成長パターンを見極めながら適切な時期を判断することが大切です。


 

まとめ

小児矯正は「早ければ早いほど良い」わけではありませんが、あごの成長を利用できる時期に行うと効果が大きいのが特徴です。

親として大切なのは、「気になる歯並びや噛み合わせがある場合には、小学校低学年のうちに一度相談すること」。

それが、将来の治療の選択肢を広げ、子どもの健康や生活の質を守る第一歩となります。


 

参考文献

本稿で示した内容は、日本矯正歯科学会や米国の専門学会、国際的研究の知見に基づいています。日本矯正歯科学会は2013年に「上顎前突(出っ歯)の診療ガイドライン」を公表しており、そこではエビデンスが限られる中で臨床推奨が検討されていますjos.gr.jp

また、米国矯正歯科専門家協会(AAO)や米国小児歯科学会(AAPD)の資料には、早期診断・管理の重要性が記されていますaaoinfo.org/aapd.org

今回引用したような学術論文やシステマティックレビュー(コクランレビュー等pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)は、

治療開始時期や効果の検証において信頼性の高い情報源とされています。これらの公的機関や文献を参考にしつつ、担当医とよく相談して最適な治療時期・方法を選択することが大切です。

 

矢野歯科医院では成人の矯正治療のみでなく、小児矯正治療を行っています。

お子さまの歯並びや顎の成長に将来的不安がある方は、お気軽にご相談ください。

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